BACK TO ROOTS

One Day in Singapore

こんにちは、SHIZUKIです。

シンガポールに来て、1ヶ月になりました。

VISAが2ヶ月できれてしまうので、ちょうど折り返し地点です。

 

今週は色々なイベントがあり、1つの記事にまとめることが難しいので、順番に更新していきたいと思います。

今回は、こちらでのモデル活動の様子がわかる、

とある1日について書き綴ってみます。

 

9/12 (TUE)  2 castings and addional 1. 

この日の一本目のキャスティング(日本で言うオーディション)は朝から。

会場まで近かったので、自転車で行こうとしたら、突然の大雨。

慌てて走っていこうとしたら、ルームメイトのロシア人モデル3人が優雅な面持ちで家を出ていくのを発見。

 

「え、歩いていくん?間に合う?」

と聞いたら

「バスあんで〜」

とのことなので、一緒にバスで行くことに。

 

途中で同じ事務所のメンズモデル君も合流し、みんなで会場のファッション系の専門学校へ。

f:id:SHiZuKi:20180916202241j:plain

キャスティング内容はとても珍しく、

キャスティングについての授業の中で、自分たちの作品の撮影に使うモデルを実際にキャスティングする、というもの。

会場には、シンガポールの様々な事務所からきたモデルがたくさんいる。

  

先生の説明によると、シンガポールでのキャスティングは、シンプル&ナイスが基本らしい。

確かに。

 

生徒は5グループに分かれていて、モデルは来た順番に1つずつ回って、撮影をしていくようなので、自分の番が来るまで暫し見学。

初めに全身やアップなどの基本的な写真を撮った後に、生徒たちは自分たちが欲しい写真の指示を出す。

 

「哀しみを内に秘めた感じでお願いします。孤独感を醸し出してください。」

「気味が悪いポージングをしながら、感情がない人形のような表情をお願いします。」

「キレて!ブチ切れて!」

「笑って〜!アホみたいに笑って〜!せーの!あはははー!!」

 

などなど

シンガポール訛りの英語で繰り広げられる生徒たちの指示は、結構ハードモードだったのだが、

さすが世界をマーケットに活動するモデルたち。

表情やポージングを変える速度は、電光石火の如し。

 

そして早いだけではなく、指示を完璧に体現していく。

どの表情もポージングもきちんと1つのストーリーを表現していて、美しい。

 

うん、鳥肌立ちました。

 

自分の番が終わって、

近くにあったニュートンフードセンターに寄る。

Kopi C kosong (無糖練乳入り珈琲)、カヤトースト、フルーツをオーダー。

f:id:SHiZuKi:20180916202422j:plain

朝ごはんを食べながら、さっきのモデルたちの電光石火ポージングを頭の中で反芻し、自分のスキル不足を痛感。

んー、頑張ろう。 

 

次のキャスティング会場まで1時間ほどかかるので、そのまま向かうことに。

 

向かう途中で、

「17時からもう一本キャスティングが入ったよ!

後、明日はキャスティングがあるよー!オーケー?☆」

と、マネージャーから連絡が来る。

 

ちなみにシンガポールでは当日にキャスティングが入ることがよくあります。

そして翌日のスケジュールは、前日の連絡がくるまでわかりません。

(私の事務所だけかもしれませんが)

日本では考えられませんが、これがシンガポール流です。

郷に入れば郷に従え精神で乗り越えてきました。笑

  

次はアパレルブランドのウェブカタログのキャスティング。 

会場につくと、10分前にもかかわらず、20人以上のモデルが既にいる。

(こっちのモデルさんはキャスティングに遅れて来る人が多いです。)

 

これは時間がかかりそうだなと予想し、

他のモデルさんの撮影を見学しながら待つ。

 

撮影はフィッティング(実際に服を着ること)ありで、

ルック(着る服のこと)は基本1着。

なお、クライアントが気に入ったら2ルック着れる模様。

 

1時間ほど待って、自分の番。

ルックは1着。アーメン。

 

ここでコンポジットカード(資料写真が載ったカード。モデルの名刺みたいなもの)が残り一枚しかないことに気付く。

 

何故だ。今朝はたんまりあったのに。

あ、そういえば朝のキャスティングで生徒たちがじゃんじゃん抜いていってたような…Oh my...

 

理由はさておき、最後のキャスティングまで残り1時間。

翌日のキャスティングもあるし、事務所が閉まるまでにプリントしに行きたいので、ダッシュで向かう。

 

事務所につくと、マネージャーが

「明日キャスティングの後に、簡単なテストシュート(資料撮影)があるよー!スタイリストは付かないから、落ち着いた色のシンプルな服を2パターン持っていってね〜! オーケー?☆」

と、笑顔で言ってくる。

  

え、待って。

めっちゃ有り難いけど、明日の昼?

服は持参? 今、16:30やで!?笑

 

内心パニックだが、最後のキャスティングまで時間がないので、詳細を聞き出し、苦笑いで「オ、オケラ〜」と返して、再びダッシュ

 

シンガポール人は良く“オーケー”の後に“ラ”をつけてオケラ”と言います。

所謂、シンガポールイングリッシュ、シングリッシュの一種。

 

これがシンガポール流。

シンガポーリアンスタイルなのだ。

 

最後のキャスティングでは、広告や雑誌の撮影を手掛けるフォトグラファーさんと会う。

所謂、挨拶まわり。

簡単な撮影をして終了。

 

帰りにテストシュートに使えそうな服を軽く見てまわる。

朝から動きっぱなしで、頭が働かなかったので早々と帰宅。

 

同じ大学出身の先輩方がこっちに来ていて、遊びに誘っていただいたが、

体力的な問題と、翌日のスケジュールを考慮して、泣く泣く断念。

翌日の晩に会う約束をして、気力を取り戻す。

 

そしてシャワー後に筋トレ、ストレッチ、スペシャルケア(いつもより気合いが入ったボディ&スキンケア)を済まし、

翌日に備え、早めにベッドに入って3秒で寝落ち。

 

 

だが、翌日のキャスティング後。

 

いそいそとテストシュートの準備をする私に

マネージャーから

 

「撮影は明日に延期になったよ〜!オーケー!?☆」

 

と連絡が来る。

 

 

それに全力で

 

「オケラッッー!!☆」

 

と返す私に怖いものなど、もう何もない。

 

はず。

 

                         − 完 −