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ANICCA

こんにちは、声が治りました、 SHIZUKIです。

今回は、今週シンガポールに集結していた(もはや先週)、私が尊敬してやまない先輩たちのお話を書かせていただきたいと思います。ちょっと長くなります。 

 
 
時を遡ること、先週の日曜日の晩、
明日からシンガポール行くから、メシいこー!と、同じ大学出身の先輩、藏立さんからいきなり連絡が。
 
 
藏立さんは現在日本で事業を営んでいて、出会いは私が大学一回生の春のことだった。
大学の授業中に教授が、「今ねー、僕の友達の藏ちゃんが世界一周中でインドにいるから、みんなでスカイプしよー!」といって、当時4回生の藏立さんと巨大なスクリーンでスカイプをし始めたことがきっかけである。 
 
 
突っ込みどころが満載なので詳しい説明は省くが、私はこの教授が大好きです。
 
 
その時、夏休みに一人でアジアを旅しようと考えていた私は、
授業後に藏立さんの連絡先を教授に聞きに行った。
今思えば、あの時勇気を出して本当に良かったと思う。
 
 
それから大学を卒業した現在に至るまで、
ずっとお世話になっている先輩である。
 
たくさんの相談に乗っていただき、
たくさんの人に会わせていただき、
それはもう藏立さんのご自宅の方向に
足を向けて寝れないくらいお世話になってきた。
 
 
その藏立さんと、
シンガポールで事業を営むルイさん、
ルイさんのお母さま、
シンガポール日系企業で働くミサキさん、
そしてインドでの修行を終え、シンガポールに立ち寄ったミヅキさん、
と私の6人で集まることに。
 
同じ大学の人らが同時期にシンガポールでこうして集まるなんて珍しいなぁ〜 
なんて言いながら、シンガポールで人気の飲茶屋さん、
瑞春(Swee Choon Tim Sun Restaurant)で集合。
 
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ずっと行きたかったお店。
 
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めっちゃ美味。
 
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場所はリトルインディアのあたり。
コスパもよいらしい。
おススメです。
 
瑞春 (Swee Choon Tim Sum Restaurant)
191 Jln Besar, Singapor
 
 
今回が初対面だったミヅキさんは、日本の外資系企業で働くバリバリの営業ウーマンである。
歩くネタ、エンターテイナーミヅキ、と呼ばれるくらい面白い。
ミヅキさんと3日間過ごし、笑いすぎて声が枯れた。
それくらい面白い。
 
 
そんなミヅキさんは最近相当ショックな出来事があり、
藏立さんにそのことを相談すると
「インドでヴィッパサナー修行したら?」と、アドバイスを受けたそう。
  
 
ヴィッパサナー修行とは大まかに言うと、10日間誰とも話さず、目も合わさず、毎日約12時間瞑想をするという合宿である。
詳細はこちらから↓
 
 
藏立さん曰く、これを教えて実際に行った人は今までいなかったらしいが、(うん、でしょうね)
バイタリティの塊、ミヅキさんは
そのアドバイスから3日後にはインドに旅立ち、
無事に12日間の修行を終了し、
そのままシンガポールに立ち寄ったとのこと。
 
 
なんで行ったんですか?と聞くと、
「話聞いた時にもうこれしかないって思ってん。
始めは胡散臭くて信じてなかったけど、全部吹っ切れたわ〜!
全てはアニッチャやで!人生でもうアカンって時がきたらシヅキも行きや〜。」
と、ミヅキさんは答えてくれた。
 
 
ちなみにアニッチャとはパーリ語で”無常”という意味で、
”全てのものは移り変わり、同じ状態にとどまらない” という仏教における考え方らしい。
修行中に先生から教わったその言葉に感銘を受けたミヅキさんは、その後の3日間、アニッチャを乱用していました。
 
  
その後、食事を楽しみながら、
ミヅキさんがライチの種飛ばし大会で優勝した話や、
インドでトゥクトゥクを運転して二回エンストした話、
修行中に野生の孔雀と戦った話などを聞いて爆笑。
まさにネタの宝庫である。
  
 
他にもルイさんのお母さまが、ルイさんの恥ずかしい過去を暴露したり、
一見お淑やかでのほほんとしたミサキさんが、今年だけで3、4回インドに行っているという驚愕の事実が発覚したり、
(みんなどんだけインド好きやねん) 
バイタリティ溢れる先輩たちの話を楽しく聞かせてもらう。
 
 
ミヅキさんとミサキさんが年末にインドに行こかと話していたので、私も行きたいと言うと「ほな、3人でフラッと行けたら行こや〜」と返事が。
先輩たちにとって「インド行くわ」は、「ちょっとそこのファミマ行ってくるわ」と同じ感覚だとそこで気付く。脱帽である。
 
 
食事を楽しんだ後、先輩たちはカジノへ。
私は翌日に仕事があったため、そこで解散。
 
お金のことについて書くのはどうかとは思うが、食事代は先輩たちが支払ってくださった。
というか、今までもずっと全て払ってきてくださったのだ。
 
 
私がシンガポールに来て間もない頃、ルイさんとミサキさんが仕事が忙しいのにもかかわらず、おススメのマッサージ店に連れて行ってくれたことがある。
 
フルボディマッサージを受けた後、ルイさんが私の分までお代を払おうとしてたのを必死で断ろうとすると、 
 「そのお金はモデルで大事なチャンスが来た時のためにとっておき〜!」
と笑顔でお札を返してくれた。
 
当時シンガポールにきたばかりで辛い思いをしていた私に、その言葉と優しさはすごく染みた。
なんて格好良い女性なんだろうと、今思い出しても胸が熱くなる。
 
 
「先輩らにお世話なってばっかで何も返せてないですわー」
 ある時、私がボソっと呟くと
「そんなん誰も返して欲しいなんて思ってへんて〜!
自分がしてもらったことを下の子らに同じようにしてあげたらええねん。」
と言って、ミヅキさんは微笑んだ。
  
 
先輩たちは私より2、3歳年上。
普段は面白い話ばかりしているが、
仕事の話や真面目な話題になると顔つきが変わる。
圧倒的な知識量と経験値があり、
常に努力を怠らない。
辛いことがあってもみんな底抜けに明るい。
  
私は2年後、3年後、こんな格好良い大人になれているのだろうか…
  
 
滞在最終日の夜、ミサキさんとミヅキさんを空港まで送り行くことに。
ミヅキさんは自分より大きなリュックを背負って、ゲートの向こう側へ。
 
「ほな、またインドでなぁ〜!」
と大きく手を振るミヅキさん。
それを笑いながら見送るミサキさん。
  
そんな2人を見つめながら、
私は年末をインドでこの先輩たちと本当に過ごしているのかなぁとふと考える。
 
 
何せ明日の予定すら、前日にならないとわからない身である。
来週、来月、日本に帰った後、自分は何処で何をしているのやら…
 
 
もしかしたら年末にインドに行ってるかもしれないし、
その時にはインドに行きたい欲がなくなっているかもしれない。
 
 
今だって何が起こり、何が変わるかわからない毎日である。
急に日本に帰りたくなるかもしれないし、
シンガポールにずっといたくなるかもしれない。
 
 
それこそ今後の人生で、もうアカンって時がきて
ヴィッパサナー修行をしてるかもしれないし、
そのままインドでアイドルデビューしているかもしれない。
 
 
何が起こるかなんてわからないのだ。
 
 
現に三年前、自分がこうしてシンガポールでモデル活動をしているなんて夢にも思わなかったのである。
 
 
先のことなんて誰にもわからない。
変わらずにいることなんて一つもない。
 
 
 
もしかしたら、
いつかは先輩たちのような素敵な大人になれる日もくるのかもしれない。
 
 
そう思うと、今はこのシンガポールという土地で毎日精一杯生きてみよう、という気力が湧いてきた。
 
 
 
そう、全てはアニッチャなのである。